アルゼンチンのアルミランテ・ブラウン観測基地は、氷河に取り囲まれた湾の片隅で、迫りくる氷河に飲み込まれてしまいそうな場所にある。
かつて捕鯨基地の要衝として重要な場所であったが、今では観測基地として運営され、ときおり南極クルーズ船が訪れる静かな場所だ。
小さな岬の突端の小屋の屋根は、アルゼンチンの国旗の色に塗られている。
アルゼンチンの国旗は、サッカーでよく見るのではないだろうか。
上下の青は、海や国土(大地)を表すと同時に、アルゼンチン人が持つ正義や友情への信念を表している。
そして、中央の白色は、首都ブエノスアイレスに流れる大河ラプラタ川を現すらしい。
背後に迫る巨大な氷河の前では、この小屋はあまりにも小さく、自然の前での人間の無力さをデフォルメするかのようだ。
アルミランテ・ブラウン基地では、クルーズのカヤック・チームが早速カヤックを漕ぎ始めた。
ゾディアックボートに分乗した我々は、クルーズ終盤のハイライトである、「パラダイス・ハーバー」へと向かった。
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