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ボリビア首都・ラパスとは
ボリビアの首都ラパスは標高3600mに位置する、世界最高所の首都です。
すり鉢状の巨大な窪みにある都市では、空気が最も濃いすり鉢の底の部分が中心部です。
“山の手”に当たる景色の良い斜面を上がれば上がるほどに空気も薄くなることから貧しい人々が住む場所として土地は安くなり、中心部から放射状に貧富の差が一目で分かるのがラパスという都市の特徴です。
社会主義政権のエボ・モラレス政権に移譲されて以来、苛烈な民族主義のもと、先住民アイマラ族は移住する自由を得て、ラパスに大挙して押し寄せました。
ラパスのすり鉢に入りきれない人々は、すり鉢の上部の貧民街(エル・アルト)に移住します。かつて小さな町であったエルアルトは、この10年で都市と呼べるほどの大きさに膨れ上がりました。このエルアルトはラパスの衛星都市としての地位を得て、ボリビアのアイマラ族の新たな文化の発信基地として発展を続けています。
ラパスの絶景とは
ラパスならではの絶景とは、そのすり鉢状の独特な形から生まれます。
中心地の標高は3600m、すり鉢の縁にあるエルアルト市の標高は4000mです。
エルアルトからラパス中心部に下りる車道で車を止めて展望台に行くと、ラパス市街を見下ろす絶景を見ることができます。
市街の背後には、ラパスのシンボル的な霊峰イリマニ(6438m)が控えています。
ラパス市街の夕焼け
ほぼ赤道直下に位置するラパスでは、日没の時間は年間を通して18:00前後です。
この時間帯は、時にラパス全体を橙色に染め上げるような強烈な夕焼けに包まれることがあります。
赤道周辺の熱帯に特有の一瞬で燃え上がるような夕日は、緯度を同じくするアンデス地域でも同じなのです。
街を見下ろす展望台で、街の喧騒を眼下に見聞きしながら、夕方の神聖な時間に身を置くのも、ラパスならではの経験でしょう。
夕焼けが終わって、周囲の人々も三々五々に散り始めますが、もうしばらく待っていると、夜景と残照のイリマニ峰を望めます。
日没後、急速に暗くなる市街地には、街灯が点き始め、町は夜の風景に変わっていきます。
空が徐々に橙色から濃紺、そして漆黒へと変わり始める時間帯に、天気さえ良ければ、霊峰イリマニは厳かに鎮座しているでしょう。
いよいよイリマニ峰も暗闇に沈み始めて、ようやくラパスでの楽しい一日を終えることになります。