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レンソイス砂漠に生きるキロンボの人々
ブラジルがまだポルトガルの植民地であった時代、17世紀からプランテーションの農園の労働者として、アフリカから大量の奴隷が連れて来られました。
なかには、プランテーションから逃亡した人々もたくさんいました。
この逃亡奴隷たちはポルトガル人の手が届かない場所まで逃げて暮らしました。
逃亡奴隷たちと、1888年の奴隷解放宣言以降に自由の身となった解放奴隷たちが築いた共同体を、「キロンボ」と呼びます。
ブラジル北東部に集中するキロンボの数は、約2800にも及び、約130万人のキロンボーラ(キロンボの住民)が暮らしています。
彼らはブラジルの建国やアイデンティティにも関わる重要な一部として、近年は特に社会的な立場やその文化が見直されているそうです。
17世紀に始まる奴隷貿易以降、多くの奴隷が連れて来られたのが、マラニョン州の都サンルイス周辺や内陸部でした。
周囲のデルタ地帯には、サトウキビなどの大規模農業が営まれていたからです。
他方、サンルイスの湾岸地帯から大西洋の沿岸にあるレンソイス砂漠の周辺は、延々と砂地と湿地が広がる大規模農業に不向きな地域です。
そのため、ポルトガル人の手が届かず、手つかずの土地がたくさんありました。
逃亡奴隷たちはは無人のレンソイス砂漠に、静かな安住の地を見つけました。
生産性の低い土地ですが、カシューナッツを始め、キャッサバ芋を収穫できます。海に出れば細々と漁労をすることもできました。
レンソイス砂漠の中のオアシスにも、キロンボはあります。
彼ら自身、自分たちの祖先がいつ来たのかはわかっていませんが、砂漠に順応して暮らしています。
白い砂漠と大きな空しか見えない世界で、いったい彼らはどのように世界を見ているのか、いつも不思議に思ってしまいます。
細々とですが自給自足に近い暮らしが確立しているキロンボでは、時間の流れがとても穏やかです。
写真展「レンソイス -水と風の星へ-」富士フォトギャラリー銀座
4月18日(金)~24日(木)に、写真展「レンソイス -水と風の星へ-」を富士フォトギャラリー銀座にて開催します。
ブラジル大西洋岸にあるレンソイス砂漠は、年に2カ月だけ約2万個もの湖が湧き出す奇跡の砂漠です。世界でも唯一の自然現象の写真を展示します。
日時・在廊日・会場などの詳細情報
<松井章写真展「レンソイス -水と風の星へ-」/後援:駐日ブラジル大使館>
・開催日/4月18日(金)~24日(木)
・時間/平日10:30~19:00、土日 11:00~17:00(最終日は14:00まで)
・会場/富士フォトギャラリー銀座(〒104-0061 東京都中央区銀座1丁目2−4 サクセス銀座ファーストBld4F)
・公式ホームページ(松井章写真事務所)/https://www.andina-travel.com/blog/lencois250418/
・ホームページ(富士フォトギャラリー銀座)/https://www.prolab-create.jp/gallery/ginza/
・松井・在廊日:全部
★作品解説★
4月19日(土)・20日(日)・23日(水)/14:00~30分
※各写真の背景やレンソイス砂漠の魅力などを解説します。