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ミッション最大の町「サン・イグナシオ」
▲トゥーカン(オオハシ科)
アマゾンの原生林が延々と続く道の先へ。
サンタクルスからはるか400kmのアマゾンの奥地、ブラジルとの国境の近くに、サン・イグナシオはあります。
この町はブラジルとサンタクルスを結ぶ交易地点でもあるので、ブラジルからの移住者も増えて現在では人口は5万人に膨れ上がり、小さな都市と呼べるほどの規模に成長しています。
サン・イグナシオ・デ・ベラスコは、1748年にイエズス会によって設立されたミッション(伝道村)です。
チキタニアの3大ミッションの一つに数えられ、西のコンセプシオン、南のサン・ホセ・デ・チキートスに並び、チキターノ族が多く暮らし、キリスト教に改宗した歴史があります。
このミッションの中心にあるイエズス会のサン・イグナシオ教会は、美しい白亜の教会です。とはいえ、1808年に火災で焼失したために、この教会は再建築されたものです。また、1948年も大規模な改修が行われています。
教会では、夕方のミサだけではなく、頻繁にチキタノ族の人々の宗教音楽の演奏の練習にもよく使われています。
私が訪れたときには、クリスマスの祝祭の音楽の練習をしていました。
贅沢に木造を使った高い天井の主廊には、子供たちの奏でる音楽が綺麗に響き渡っていました。
チキタノ族はバロックやルネサンス時代の音楽を好むので、子供一人一人がバイオリンを持っています。
この地域にいれば、どこかで子供たちが演奏する場面に会うことができるでしょう。
この村からさらに北は、ノエル・ケンプ・メルカード国立公園で、アマゾンの核心部とも呼べる原生林が広がります。サン・イグナシオは奥アマゾンへの入口でもあります。