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街道の村を巡る
車が通らない古い街道を3日も歩いていると、地元の人々の暮らしのペースに慣れてきます。
考えてみれば、人の暮らしのある所には、車の音は付き物です。
▲鬱蒼とした雲霧林を歩く
これほどの人が暮らしていて、車が無いというのは世界でもあまり目にすることはないのではと思います。
人やロバ、そしてヤギ達の歩行ペースに徐々に慣れてくると、時の流れへの感覚も少し変化していくのを感じました。
バンブー村(2310m)
アンナプルナ街道でも特に賑わっている村です。
街道沿いに宿や茶屋が軒を連ねています。
宿の部屋の目の前が街道なので、行き交う人を眺めながらのんびり過ごせるのが魅力です。
人だけではなく、ヤギの群れも村を通り過ぎていきました。
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ドバン村(2610m)
谷底を歩く道も徐々に標高が上がります。
見上げると、谷の奥に名峰マチャプチャレが見えました。
▲標高を上げるほどに、五色の旗「タルチョー」が目立ってくる。この地域の多数派であるヒンドゥー教徒のネパール族に人々は高原を好まないこともあり、高原部にはエベレスト方面からチベット仏教徒のシェルパ族の人々が移住して、トレッキング産業を支えているようです。
ヒマラヤ村(2920m)
生活道もこの村の周辺で終わりとなります。
人々の暮らしも希薄になり、道は徐々に山道へと変わります。
デウラリ(3230m)
標高3000mを越すと、景色は大きく変わってきます。
森林限界を超えるため、背の低い灌木が主体となります。
来た道を振り返るように、谷の下を望むと、すでに自分が雲の上にいることに気づきました。
デウラリからさらに登ると、いよいよアンナプルナ山群の核心部が見えてきます。