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巨鳥・コンドルの雄飛
コンドルが近くを滑空すると、鋭く風を切る音が聞こえてきました。
コンドルは上昇気流を利用して、グライダーのように滑空します。
その巨体から自ら羽ばたいて飛び立つことはできず、宙に浮くには上昇気流が不可欠だからです。
そのために、コンドルは深い谷に巣を作り、風の吹くアンデス山脈に生息しているのです。
アンデス山脈を象徴する野生動物といえば、まさにコンドルです。
死肉を食べるコンドルは、高い空を滑空しながら餌を探しています。
コンドルがぐるぐると上空で回っている場所には、何かがあると考えて良いでしょう。
餌を見つけたコンドルは着陸するわけですが、「着陸」はコンドルにとっては命がけの作業です。羽ばたいても簡単には飛び立てないので、きっとコンドルはその場に下りても、再び飛び立つ風が吹いているかをよく考えてから、餌のある場所に着地しているのだと思います。
生きるために強風を不可欠とするコンドルは、ほとんど羽ばたかずに悠々と天を舞うように滑空しています。
かつてチャールズ・ダーウィンは、上空に舞うコンドルを観察していて、30分に一回しか羽ばたかなかったと記録に残しているほどです。
アンデス山脈に沿って生息するコンドルは、同じくアンデス山脈に生きる先住民ケチュア族やアイマラ族にとって、神様のような存在です。
有名な曲「コンドルは飛んでいく」という曲の雰囲気は、天に舞うコンドルを実際に見ればよく納得できるのではと思います。