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風景写真家・松井章のブログ

ウユニ塩湖のキヌア畑|荒れ地に育つスーパーフード

アンデス高原の風景を変えるキヌア畑

標高4000mのボリビア高原(アルティプラーノ)にあるウユニ塩湖の周辺は、土に塩が含まれることから、耕作には不向きな土地です。
この荒涼とした大地が、いまキヌアの畑に覆われようとしています。

キヌアはこのアンデス高原を原産とする穀物です。他の穀物よりも栄養をたくさん含むことから、「スーパーフード」と呼ばれたりします。近年の世界的な健康ブームで、キヌアは注目されて世界中で食されています。そして、いま世界の飢餓問題を解決する可能性さえも秘めていると言われます。

キヌアの栽培は、紀元前の先史時代から行われてきました。一説には7000年も前から栽培されていたそうです。アンデスの人々にとっては、栄養豊富なキヌアは神聖な存在でした。
スペインが侵略すると、一時期はその栽培を禁じられた時代もありました。

同じアンデス原産であるジャガイモのように商品作物として普及しておらず、これまで荒れ地で細々と栽培されてきたのがキヌアでした。

近年、このキヌアの収量の安定化のために品種改良の研究が行われて、世界に輸出される商品作物になろうとしています。

★日本の国立研究開発法人国際農林水産業研究センターは、現地の研究に貢献しています
https://www.jircas.go.jp/ja

厳しい環境で育つキヌアはいま、気候変動に直面する全世界でその存在感が注目され始めています。

アンデス地方にもたらす富


ウユニ塩湖の周辺を車で走らせると、いたるところにキヌアの畑を見ることができます。カラフルなキヌア畑は、荒涼としたアンデス高原では瑞々しく見えます。収穫の季節が近づくと、キヌアの稲穂は深紅や黄色、オレンジ色や緑などに実ります。

とても逞しいキヌアは、種まきをしてから、ほとんど世話をする必要もないそうです。荒れ地でただ放っておくと、豊かな実りをもたらします。

ペルーやボリビアで栽培されるキヌアは、地元の人々にとって貴重な現金収入となります。かつては何も生むことのなかったアンデス高原の大地が、人々に富をもたらすようになったのです。
ボリビアやペルーの政府は、国内での一般の人々による消費をまず奨励しています。それによって人々の消費量も増えているものの、多くのキヌアは高値で売れる海外に輸出されるようになっています。

広大なアンデス高原で、キヌア畑はさらにこれからも広がっていくでしょう。
付加価値をつけて、天然資源に匹敵する存在感を持つように、人々は努力を続けています。

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