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インカ発祥の地:ボリビアの「太陽の島」
標高約3700mにあるチチカカ湖は、琵琶湖の12倍もある巨大な湖です。ほぼ中央に国境線があり、西はペルー、東はボリビア領と分かれています。
この湖の畔には、少なくとも2000年以上も前から人が暮らしています。インカ文明よりもはるか昔、チチカカ湖周辺ではすでに高度な文明が繁栄していました。
このチチカカ湖は「文明のゆりかご」のような存在でした。
チチカカ湖の沿岸で船に乗り島に行くと、伝統的な生活を今も見ることができます。
ボリビア側にある「太陽の島」は、インカ発祥の地として有名な島で、先住民アイマラ族が暮らします。
知名度と異なり、車道も無いこの島では、人々は荷を人力やリャマで運び、まるでタイムスリップしたかのような伝統的な生活風景を見ることができます。
女性は華やかな民族衣装をまとい、風呂敷で包んだ荷物を担いで歩いています。
島の斜面を覆う段々畑は、古代から綿々と受け継がれてきました。
そう考えると、幾重にも連なる石垣は遺跡のようなものだと分ってきます。
島で生まれた青年と話す機会がありました。
彼は都会に憧れて島を出て、ラパスやサンパウロで暮らした経験があります。
しかし、どうしても都会の生活には慣れることができず、この島に戻ってきたそうです。
今は農作業や観光客のサポートをしながら家族と暮らしています。その暮らしにとても満足していると言っていました。
大きな世界に出た青年が、この小さな島に戻ってくる、その波乱万丈の経緯を聞きながら、農作業する人々の生活の風景を眺めていました。