目次
トルラ村からオルデサ国立公園へ
スペイン・アラゴン地方、ピレネー山脈の奥地にあるトルラ村は、「オルデサ・イ・モンテ・ペルディード国立公園」の入口です。
トルラ村に1泊して、翌朝にオルデサ渓谷に向かいます。
オルデサ渓谷を楽しむ3プラン
「オルデサ・イ・モンテ・ペルディード国立公園」を楽しむ方法は、簡単に分けると3つの方法があります。
・オルデサ渓谷展望4WD観光・・・渓谷の上に4WDで上がり、大パノラマを展望します。
・オルデサ渓谷ハイキング・・・渓谷の中を1日かけて歩きます。
・縦走トレッキング・・・フランス国境のガバルニー方面から、徒歩で国境を越えて歩きます。
ピレネー山脈の歴史
東西に刻まれた深い谷(オルデサ渓谷)は、ピレネー山脈の核心部とも言える場所です。この渓谷の北側の山稜はフランスとの国境です。
ピレネー山脈は、イベリア半島の付け根に当たり、大陸移動説によれば、イベリアプレートとユーラシアプレートが衝突することで、隆起した山脈です。スペイン側(イベリアプレート)が押す力が強く、ユーラシアプレート側は押されることで、鋭く隆起した山が生まれました。
このようにして、ピレネー山脈の北斜面(鋭い山岳地帯)と南斜面(なだらかな斜面と渓谷)で大きく風景が異なります。
オルデサ渓谷は、まさにプレートが衝突して最も力が作用したことから、大地を切り裂くような大渓谷が生まれました。
4WDで行くオルデサ渓谷観光
第一展望台へ
この日は天気が良かったので、渓谷を望む大展望を期待して、4WD観光に参加します。
標高1030mのトルラ村から、渓谷の南側から4WDで未舗装の道を一気に約1000mほど登ります。約1時間ほどで渓谷の第一展望台に到着しました。
山麓と異なり、山上の空気は澄んでいて、6月の初夏といえでも風はまだ冷たいです。
第二展望台「ローランの裂け目」
渓谷の断崖に沿って、4WDは第二展望台へ到着しました。
この展望台の特徴は、「ローランの裂け目」が望めることです。
鋭い稜線上に、一つだけゲートのように、あるいは剣が刃こぼれしたように見える場所が「ローランの裂け目」です。高さ100mの断崖がここだけ崩れて、スペインとフランスを結んでいます。スペイン・フランスの国境線でもあります。この裂け目の裏のフランス側には、ガバルニー渓谷という世界遺産に登録された絶景の谷があります。
「ローランの裂け目」は、8世紀に、イベリア半島を侵略したイスラム教徒に追われたロラン伯爵が、ここでデュレンダルの剣で岩を叩き切り、フランスに避難したという伝説に基づきます。
1000年以上前から、中世の時代はスペインとフランスを結ぶ街道の一つであったのでしょう。
第三展望台「ペルディード山」
4WDは最後の第3展望台に向かいます。第三展望台は車を降りてから、徒歩で約20分ほど草原を歩いて到着します。
展望台からは、オルデサ渓谷の最奥部が望め、ペルディード山(3352m)も見ることができます。日本では、フランス語読みでペルドュー山として知られています。
ペルディード山の山麓に豆粒ほどの大きさでゴリッツ小屋も見えました。
フランス側からトレッキングで「ローランの裂け目」を越えた時に、この山小屋で1泊することになります。
隆起と浸食でできた壮大なスケールのオルデサ渓谷で最も壮大な風景は第三展望台にあります。
トルラ村へ下山
第三展望台の後は、来た道を戻り、トルラ村に下ります。車窓から南側を望むと、なだらかにピレネー山脈の南麓が連なっています。この先にはアルケサルやアインサがあり、その先はスペイン的な草原がどこまでも広がります。
約4時間ほどの半日観光で、ピレネー山脈の絶景を望めました。
訪れた季節はまだ6月初旬であったために、花はまだあまり咲いていませんでしたが、絶景を楽しむことができました。
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