アルゼンチン・パタゴニアのペリトモレノ氷河では、約4年に一度、氷河が前進して陸に接する時があります。
温暖化で氷河が後退する時代のなか、不思議とペリトモレノ氷河では前進・後退を繰り返し、この100年ではほとんど同じ状態を保っています。
氷河が前進して陸に接する時、モレノ氷河が流れ込むアルゼンチン湖は南北に分断されます。
南側に堰き止められる小さな湾は日に日に水位(一日3~5cm)が上がっていき、南北で最大10m近い水位の差が生じることもあります。
この水圧に氷河が耐えられなくなった日、巨大な音とともに、陸に接していた氷河の先端が崩壊します。
この決壊の日がいつになるか、アルゼンチン・パタゴニアでは賭けの対象にもなるのだとか。
謎に満ちた氷河のメカニズムは、今も人の予測の範囲を越えています。
人の思惑を翻弄するかのような氷河の動きに、痛快な自然の摂理を感じます。
※氷河崩壊は展望台の安全にも影響を与えるため、現在は展望台の最下部は閉鎖されています。(2016/02/16現在)