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アンデス高原で撮影する聖峰イリマニ
世界最高所の首都ラパス(3700m)は、富士山の山頂と同じくらいにあるアンデス高原の都市です。空気が薄く、それだけ宇宙に近い標高で、低地に比べて空気が澄んでいます。さらに乾季で湿度も低いために、空は濃く鮮やかに透明に見えます。
ラパスの展望台から、町のシンボルともいえる聖峰イリマニ(6438m)を、ゴールデアワーと呼ばれる夕方から夜にかけて、定点観測で撮影しました。
赤道に近いラパスの夕日の特徴
緯度が赤道に近いラパスでは、年間を通して太陽の出没の時間はだいたい同じです。時間を予測するのは簡単ですが、朝日や夕日の時間が短いのには注意が必要です。短い時間とはいえ、もし夕日に空が染まるときには、一瞬で燃えるように空が焼けることがあります。これは熱帯地域に特有な夕焼けですが、南米大陸ではアンデス高原の高所で、この熱帯に似通う激しい夕日が見えるのが特徴です。
時間帯で変わる大気の色とバランス
夕日と夜景を撮影するときには、2時間くらい撮影場所に待機して空の色の移り変わりを観察することになります。夕日が最も鮮やかに焼ける時間は、日没前の約20分くらいでしょう。この時間がもっともダイナミックに空や山の色が変わります。
最初はイリマニ山に夕日が当り、橙色に輝きます。その次に空が徐々に橙色に変わる中で、逆に光が当らなくなった山肌は、橙色とは対極の青い寒色に染まっていきます。
街並みも同じく、陽光が徐々に遠のく中で暖色から寒色へと変わっていきます。
そして、空も山も徐々に暗くなり、わずかな太陽光を反射して、最後に暗い青から暗闇へと沈んでいきます。このとき、街並みにはネオンが灯り、逆に明るくなっていきました。
夕日から夜景に移り変わるダイナミックな時間帯に、美しいと感じることができる写真は、暖色と寒色が占める配分のバランスにあると思います。橙色の対極にある寒色の「青」は心理補色として、夕日の写真に敢えて含めることで、メリハリのある写真になります。
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