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風景写真家・松井章のブログ

ペルー・インカの古都クスコを満喫する「5つのポイント」

マチュピチュ遺跡への基点:クスコ

標高3400mに位置する、インカ文明の古都クスコは、南米の中で最も魅力のある町の一つです。
丁度良い規模の町にぎっしりと魅力が詰まっているところが、他の中南米の“古都”とは一味違うところでしょう。

マチュピチュ遺跡への通過地点として、クスコを急ぎ足で通り抜ける旅行者はとても多いのですが、できれば連泊をしてアンデス高原の古都の魅力をじっくりと味わいたいところです。

①古代文明の遺物が今も残る「インカ帝国の都」

「クスコ」とは、アンデス先住民ケチュア族の言葉で“ヘソ”を意味します。
インカ帝国の人々にとって、クスコは世界の中心であり、太陽神への信仰を踏まえると宇宙の中心とも言える場所でした。

高度な建築技術の粋を集めて作られた石組みは、今もなおカミソリ一枚も通さないほどの精緻さで残ります。
16世紀に侵略したスペイン人は、インカ帝国の建築物を解体してしまいましたが、その基部までを破壊し尽くすことはできませんでした。

こうして、クスコはスペインのコロニアル建築の瀟洒な町並に、インカ時代の屈強な石組みが混ざる独特な街並みを形成しているのです。
街を少しでも歩けば、いたるところにインカ時代の息吹を感じることができるでしょう。

そして一際、精緻な石組みが見られるのは、コリカンチャ神殿です。
太陽神の神殿として崇められる、インカ帝国のまさに核心部です。
かつてこの神殿は黄金で満たされていましたが、全てスペイン人に持ち去られ、神殿を解体してサントドミンゴ教会が上に築かれました。
しかし、その精巧な石組みの全てを解体し尽くすことは敵わず、今に残ります。

②スペイン統治時代のコロニアル建築が生み出す、美しい町並み

標高の高いクスコの町で、空を見上げれば抜けるような青い空が広がっています。
その青い空に、ゴンゴンと雲が流れて行く。

空を貫くように一際目立つのは、中央広場であるアルマス広場に面する2つの教会、カテドラル(教会)とラ・コンパニーア・デ・ヘスス教会です。
スペイン人の象徴であるキリスト教の威厳をインカ帝国全土に知らしめるために、威風堂々と教会は作られました。
その教会の基部はもちろんインカ帝国の建築物です。

スペイン人に改宗を強いられたインカ帝国の諸族は、太陽神への信仰をたくみにキリスト教に混ぜて隠しながら、営々と数百年を過ごすことになるのです。
現在ではカトリックはすっかり根付いていますが、今もなお先住民諸族は土着の神様への崇拝を大切に守り抜いています。
今は、かつての自然信仰がまた息を吹き返し始めた時代ではないでしょうか。

教会の中には、スペイン統治時代の絵画が残ります。
それらの絵は、改宗したケチュア族が描いた絵です。絵の中に暗号のように太陽神への信仰を隠して描き込んでいます。

③クスコを一望する丘に鎮座する、巨石の城塞遺跡サクサイワマン

クスコ近郊は、インカ文明の遺跡の宝庫です。

なかでもサクサイワマン遺跡は、その規模が大きな遺跡です。
クスコの町並を見下ろす高台に、その巨石建造物はまさに鎮座してしています。

城塞であったこのサクサイワマンは、1536年のスペイン人との激しい戦いに破れて破壊されてしまいました。

それでも今も残る、幅が約360mに渡る巨石の石垣の連なりには目を見張るでしょう。
城壁には3~7mの巨石が組まれているからです。

もちろん石と石の間には全く隙間が無いインカ独特の建築技術です。
まるでパズルのように組み合わされた巨石の石組みは、どのように組まれたのか今も謎のままです。

巨石の城塞遺跡サクサイワマンのもう一つの魅力は、その展望です。
遺跡からは、盆地の底に広がるクスコ市街を一望できます。

橙色の瓦屋根の連なりとアンデスの青い空が、独特のコントラストで、アンデスの都らしい景観を作っています。

今では夜も遺跡はライトアップされていて、遺跡の展望台からはクスコの夜景も綺麗です。

④ペルー料理に舌鼓を打つ

世界的に注目される“ペルー料理”を食すことも、ペルー旅行の大きな魅力です。
フランス料理、中華料理、インド料理に並び、合わせて世界4大料理に数えられるのだが、まだ日本ではあまり認識されていないのが現状です。

多くのパッケージ旅行など既成のツアーでは、まだまだ“ペルー料理”への理解が少ないために、ペルーで美味しい物を食べずに帰る方がほとんどです。

クスコや近郊のウルバンバ谷には、ペルーでも指折りの名店があるので、できれば食事にも少しの時間と予算をかけて、本物の“ペルー料理”を食べたいところです。

⑤歴史地区の町歩きも楽しむ

中央広場であるアルマス広場周辺は、クスコ“歴史地区”として、国を上げて建築物を保存しています。

数百年も人が往来を続けた石畳、インカ時代の石組みの上に連なる白い漆喰の壁、街を行き交う先住民の衣装をまとう人々。

迷路のような細い路地を歩くのも楽しいですが、足はとても疲れるものです。
連泊することでクスコ滞在の時間を長めに取って、クスコでは必須の路地歩きも楽しみたいところです。

クスコ&ウルバンバ谷:専用ページ

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