Loading

風景写真家・松井章のブログ

インカの聖なる谷“ウルバンバ谷”の7つの魅力(ペルー旅行)

クスコとマチュピチュの中間地点:ウルバンバ谷

インカ文明の中心を担った“聖なる谷”として知られるウルバンバ谷は、クスコとマチュピチュの中継地点としての役割だけではなく、丸一日を費やしても時間が足りないほどの魅力があります。

インカ帝国の都クスコ(3400m)とマチュピチュ遺跡(2400m)の間の中間に位置する“ウルバンバ谷”は、多くの旅行者が通過します。
標高約2800mに位置するために高所順応には調度良く(高すぎず・低すぎず)、アンデス高地での1泊目はクスコではなく、ウルバンバ谷にすると割合に高山病の影響を少なくすることができるのです。

このウルバンバ谷の魅力を味わうには、クスコ在住の日本語ガイドに案内してもらうのがとても重要です。インカの複雑な歴史や伝承を知ることで、より一層深く魅力を感じられるからです。
そして、ペルー料理のこだわる方には、ペルー料理の名店もウルバンバ谷にあります。

“聖なる谷”ウルバンバは、インカ帝国の中枢

クスコから標高を徐々に下げながら、約50kmほど移動すると、ウルバンバ谷に到着します。
東西に細長い谷は30kmほど続きます。
谷沿いにアマゾン川の源流でもあるウルバンバ川が流れ、マチュピチュを通り、アマゾンの大河に合流します。

かつてインカ帝国の皇帝は、冬の最も寒い時期にはクスコからウルバンバ谷に居を移していました。
標高が割に低く気候が落ち着いているために、“避寒地”として利用されていたのです。

この“避寒地”は、一大穀倉地帯としての役割もありました。

チチカカ湖が発祥のインカ文明は、ウルバンバ谷の肥沃な土地をうまく利用することで、南米大陸の広大な地域を支配する「力」を得て行きました。
まさにインカ帝国にとっての中枢、“聖なる谷”と呼ばれるようになる所以です。

ケチュア族の小さな村、ミスミナイ村の訪問

もし丸一日をウルバンバ谷の滞在に時間を作れるのであれば、ミスミナイ村の訪問をしたいところです。
村人にとって観光客の受け入れは貴重な現金収入となります。

ミスミナイ村は、共同体を上げて観光客の受け入れに力を入れています。
といっても、実際に訪問するツーリストはごく僅かです。
都市との貧困格差を解決するために、まだまだ始まったばかりの試みです。
村では、大地母神パチャママへの祈りの儀式や、農業を営む人々の素朴な生活風景を見ることができるのが魅力です。

弊社のインカトレイル・トレッキングでは、ミスミナイ村の村人がポーター業務を全て担当しています。

インカ時代の農業試験場モライ

ミスミナイ村から緩やかな丘陵地帯が広がる台地に、ぽっかりと穴が開いている場所があります。

この穴の深さは約100mほどで、円形の段々畑が連なっています。
最上層と最下層の間には、寒暖の差があります。
この寒暖の差を利用して、多くの穀物が交配されながら特徴や生育条件などが研究されていました。
インカの「農業試験場」であったのです。

ウルバンバ谷に睨みを利かせる、オリャンタイタンボ遺跡

ウルバンバ谷の西の端オリャンタイタンボは、ウルバンバ谷が狭まる地形的な特徴から、インカ時代には戦略的に重要な場所であったと言われます。
オリャンタイタンボから、さらに西へ谷を下りればマチュピチュ遺跡、そしてアマゾンへ行けます。

オリャンタイタンボ遺跡は、クスコの手前で、ウルバンバ谷の入口として関所として機能していました。
その堅牢な石組みから要塞としての役目もあったとも考えられています。
インカらしい巨石の石組みをどのように持ち込み組んだのか、それは謎に包まれています。

オリャンタイタンボ村に集う、色鮮やかな民族衣装をまとう人々

マチュピチュ村への鉄道の基点となるのがオリャンタイタンボ村です。

かつてインカの王族が住んでいたとも言われ、村の各所に遺跡の痕跡を見られます。スペイン侵略後にも人は住み続けましたので、村には、古い石畳や水路が迷路のように広がります。
村には今も、色鮮やかな民族衣装をまとう人々が歩いています。

今は小さな宿場町となっていますが、今も昔も地形的な要衝として、ウルバンバ谷の中心部です。

広大な塩の棚田、マラス塩田

インカ以前のプレ・インカ時代から綿々と続くマラスの塩田は、今もなお地元の人々はここで塩を採取しています。

棚田の数は約4000枚とも言われますが、その元となる塩水が湧き出るのは、とても小さな小川からです。
気が遠くなるような時間をかけて、塩の小川から水を引き、無数の棚田を作り、塩水を天日干ししているのです。

塩田は台地からウルバンバ谷への小さな裂け目のような谷に位置します。
上の台地から下って来る時に、真上から塩田を俯瞰するように望くと、その塩田の大きさとパッチワーク状の棚田の光景に圧倒されるでしょう。

色彩豊かなピサックの市場

これらの地域を巡り、さらに昼食にもこだわると時間は足りないのだが、可能であれば寄りたいのが、ピサックの市場です。特に特に日曜日には、サンデーマーケットとして、多くの人々が集まる大きな民芸品の市場です。
かつては地元の人々が集まる場所でしたが、今は観光市場として有名になり、火曜日と木曜日にも人が集まります。

クスコとピサックの間には、アルパカ牧場があります。
ピサックとクスコを結ぶルートに、休憩所として使用されます。
お土産も売られるよくあるサービスエリアですが、ここにはアンデス中のアルパカやリャマが集められています。

ウルバンバ谷&クスコ:専用ページ

●エリア紹介ページ:ウルバンバ谷&クスコ:専用ページ

ペルー・インカの古都クスコを満喫する「5つのポイント」

マチュピチュ遺跡とインカトレイルを堪能するペルー旅行『 7つのポイント』

関連記事

  1. アンデス山脈の黄昏:氷雪峰の魔法の色彩 -ペルー・ブランカ山群

    2017.11.30
  2. マチュピチュへ歩く!インカトレイル・トレッキング:5つのポイント

    2019.09.06
  3. コロニアル調の白壁と石畳の街を歩く-クスコ-

    2015.07.25
  4. アンデス高原鉄道②:過ぎ行くアルティプラーノの景色

    2015.08.08
  5. マチュピチュ遺跡:驚異的なインカの建築技術

    2023.05.04
  6. ペルー旅行の魅力を解説⑤:インカ帝国の核心部「ウルバンバ谷」

    2020.05.05
パタゴニア
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

最近の記事

アーカイブ

PAGE TOP