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朝日に燃える山岳風景「モルゲンロート」
パタゴニアで最も美しい景色の一つは、朝日の“モルゲンロート”です。
“モルゲンロート”はドイツ語に由来する登山用語です。モルゲン(Morgen)は“朝”、ロート(Rot)は“赤い”を意味します。日本におけるアルピニズムは、スイスやドイツで学んだ登山家が日本に持ち込んだことから、日本の登山用語にはドイツ語由来が多いのです。
“モルゲンロート”もその一つで、朝日に赤く焼ける山のことを指します。
パタゴニアのモルゲンロートの魅力は、花崗岩の峰々を照らす朝日です。巨大な岸壁と懸垂氷河が、赤く燃えるとき、世界は静寂から目覚めの喧噪へと移り変わります。
薄闇に山が浮かび上がるとき、山は紫色に染まり始めます。朝日の最初の一線が射しこみ始めると、山を照らす光は紫から赤色、橙色、そして黄金色へと変化していきます。
名峰・フィッツロイのモルゲンロート
パタゴニアのモルゲンロートでは、ときに雲が絶景をさらに美しく演出します。
強風が吹き荒れるパタゴニアでは、高積雲のレンズ雲が上空に不思議な形で浮かんでいることがあります。このレンズ雲が朝日に焼けるとき、それはまるでオーロラのように揺らめいていることがあります。
雲の朝焼けと山のモルゲンロートを一緒に望めるのは、風の国・パタゴニアならではの絶景なのです。この絶景は上空の天気の状況だけではなく、東の地平線の天気も重要となります。フィッツロイより東側には広大な草原・パンパが広がり、砂漠のように乾燥しています。このために、東の地平線が晴れている可能性は、日本と比べればパタゴニアの方がはるかに高いと言えるでしょう。
モルゲンロートの幻想が解けると、世界は新しい一日を迎え、鳥がさえずりを始めます。
この幻想風景はわずか30分程度だけ望める幻の風景です。
天候の影響を大きく受けるので、もしモルゲンロートの瞬間に立ち会えたのならばとても運の良い巡り合わせなのです。
【動画】パタゴニアのマジックアワー
パタゴニアのフィッツロイ山群(アルゼンチン)にて、「マジックアワー」をテーマに、朝日と夕日に彩られるフィッツロイ峰とセロトーレ峰の写真を集めた短編動画です。
【動画】パタゴニアの名峰フィッツロイと南極ブナの原生林
パタゴニアを象徴する名峰フィッツロイと山麓に広がる南極ブナの原生林をテーマに動画を作りました。
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《写真》世界の絶景写真フォトギャラリー:パタゴニア編
アンディーナトラベルの映像部門「松井章 写真事務所」のフォトギャラリー、パタゴニア編です。
雑誌や企業の会報誌、カレンダー等にご利用いただいている写真も含めています。ぜひご覧ください。