目次
レンソイス砂漠で迎える夕日
レンソイスで過ごす時間の中で、最も穏やかな時間帯は夕方です。
陽の高い時間は日差しがかなり強いのですが、陽が傾くと気温も適度に下がり過ごしやすくなります。
大きな空と白い砂丘だけが広がる徹底的に“何も無い世界”で、夕陽を迎える
風音以外には無音の静寂で、視界には動く物が何もない。
地平線に沈み行く夕景を眺めていたら、日々の生活の些末な事柄はとりあえずどうでもよくなるような、贅沢な時間帯です
砂丘の上から北を望めば、遠くかすかに大西洋が見えます。
翌日のトレッキングのゴール地点です。
そして、眼下には、砂丘の間を流れる川が見えます。
砂漠を縦断するネグロ川です。
ネグロ河は、白い砂漠の中を流れる、不思議な景観の河です。
川岸には植物は一切生えてなく、浅い川が広く毛細血管状に広がりながら流れています。
この川を見るたびに、まるで「風の谷のナウシカ」に出て来る“腐海の底”のような場所だなぁと感じています。
日本から地球の真裏のレンソイスへ来て、さらにテント泊で歩いた末に望む夕景であれば、心に来るインパクトは大きくなるものです。
“心と体は不可分の関係性”、という哲学的な表現がある通りに、
テレビを通して見る夕景とも、あるいはドライブで訪れた展望台で望む夕景とも、そもそも質が異なるのでしょう。
地の果ての砂漠で自ら歩くことで獲得した、肉体的な感覚の果てに感じる“夕陽”だからこそ、レンソイスで何としても体感したい時間です。