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マチュピチュ遺跡の採石場
マチュピチュ遺跡の市街地の上の高台は「石切り場」と呼ばれます。
ここで花崗岩が切り出されて加工され、マチュピチュ遺跡が建造されたからです。そして、石切り場には石がごろごろと連なる状態にあることから、マチュピチュ遺跡はまだ建設途上に何らかの理由で放棄されたと考えられています。
マチュピチュ遺跡を作り始めたときには、この石切り場は岩山であったはずです。その岩山が原形を留めないほどに岩を削り出して、マチュピチュ遺跡が築かれたのです。
もしこの石切り場の岩が綺麗に無くなれば、いったいどんなマチュピチュ遺跡の姿が完成形だったのでしょう。
インカ文明は文字を持たなかったことから、マチュピチュ遺跡が放棄された理由は何一つ残されず、謎に包まれています。
石切り場から望むマチュピチュ遺跡の絶景
石切り場は、マチュピチュ遺跡を俯瞰することができる小さな高台にあります。見張り小屋に次いで、2番目に展望が良い場所と言えるでしょう。
マチュピチュのシンボル、ワイナピチュ峰をバックに、メイン広場の左側に神聖なエリアであるインティワタナ(日時計)の丘、広場の右側には居住区を望み、最もマチュピチュらしい風景です。
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石切り場で特に美しい時間帯は、朝日です。
早朝、マチュピチュ遺跡の開場の時間とともに石切り場に行くと、東の尾根から陽が射し始めます。最初はワイナピチュ峰の山頂が陽に照らされて、光の線は徐々に下がりマチュピチュ遺跡全体が朝日に包まれます。
静かに潜めていた鳥たちも朝日とともに賑やかに鳴き声を上げるでしょう。
植物についた朝露(あさつゆ)が輝き、ときに朝霧から遺跡が姿を現すこともあります。
薄明から朝日へダイナミックに光が移り変わる時間帯が、マチュピチュ遺跡で最も美しい風景を作り出すのです。
インカ文明と「石」
インカ文明は「石」を自由自在に加工する技術に優れた文明でした。あらゆる建築物が石組みで築かれています。
岩山から切り出した石を多角形に加工して、隙間なく石を組む。何十トンもある石でさえも隙間なく組んだその技術は、今もなお謎の一つです。
いずれにせよ、その高度な石工技術により、数百年の間には大地震が起きても、びくともしない強い建築物を後世に残しました。
インカ文明にとって、高度な石組みの建築は権力を象徴することであり、耐震性や治水(水路)も考えた永続的な建築物を残すことは重要な意味があったのでしょう。
マチュピチュ遺跡を巡る:各スポットを細かく解説
マチュピチュ専用ページ
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