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“帝王の山脈”レアル山群とは
南米大陸を縦断する長大なアンデス山脈において、ボリビアのレアル山群は長さ130km・幅20kmの小さな支脈です。“レアル”は“帝王”を意味します。その名の通り、レアル山群の恵みは古代文明を養い、人々に神格化された山脈でした。
チチカカ湖やウユニ塩湖のアンデス高原地帯(アルティプラーノ)の北端を縁取るように聳え、レアル山群を越えればアマゾンの熱帯雨林が延々と大西洋まで広がります。赤道に近いにも関わらず5000~6000mの峰々を氷河が覆うのは、山脈の反対側にあるアマゾンの湿度に影響されているからです。
ボリビアの国土においてアマゾンの熱帯雨林が6割を占め、標高3800~4800mの高原・アルティプラーノが約3割を占めます。アンデス山脈はアマゾンと高原の間に屏風のように聳えて、ボリビアの風景を2つに分けているのです。
高原アルティプラーノから望むレアル山群
チチカカ湖から、ボリビアの首都ラパスにかけては、2000年以上前から古代文明が興隆した地域「文明のゆりかご」のような地域です。それはレアル山群を覆う氷河が豊かな水の恵みを山麓にもたらしていたからです。
レアル山群を離れて高原を南にいけば、乾燥したウユニ塩湖、そして月面世界のように荒涼としたアタカマ砂漠へ繋がります。
コンドルを象徴するコンドリリ峰
コンドルが羽を広げたような独特な山容のコンドリリ峰(5648m)は、山麓の登山口(4300m)までのアクセスが良いことで、トレッキングの名所となっています。
登山口から約2時間ほどの登りで、コンドリリ直下の氷河湖(4600m)に到着します。コンドリリを展望する1泊2日のテント泊縦走トレッキングも魅力です。
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アンデス高原から望むアンコウマ峰とイヤンプー峰
アマゾンとアンデス高原の中間に位置するソラタ村(2600m)は、この2座への登山またはトレッキングの基地となります。山の写真もソラタ付近からのアングルが有名ですが、この写真のようにアンデス高原から望む山容もまた迫力があります。
左右に屏風のように広がるのがアンコウマ峰(6427m)で、左の方から頭を少し覗かせる峰がイヤンプー(6368m)です。
標高4000mにありながらも、レアル山群からの水の恵みがあることで、ジャガイモやキヌアを栽培する畑作地帯となっています。
★「ソラタ村から望むイヤンプー峰とアンコウマ峰」は下記リンクでご覧ください★
ワイナポトシ峰
コンドリリ峰と並ぶように聳えるワイナポトシ峰(6088m)は、2泊3日で登頂できる6000m峰として有名です。
首都ラパスの象徴・イリマニ
レアル山群の最高峰イリマニ(6439m)は先住民アイマラ族の言語で「黄金のコンドル」を意味し、太陽神インティを象徴する霊峰です。
ラパスの都市から望む超自然的なイリマニの山容は、ラパスの人々であれば誰もが畏敬の念を抱くでしょう。民族音楽フォルクローレでも、偉大な自然の象徴として多くの曲中でイリマニが登場します。