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レンソイス砂漠に現れる風紋
レンソイス砂漠の魅力を一言で表すとしたら、「白砂の砂漠と、碧い無数の湖」でしょう。
“砂漠”とは対極にあるような“水”が、レンソイス砂漠では同居していることで、世界でも唯一レンソイスだけで見れる景観を作り出しています。
青や緑、橙色の湖の数は、満水時には約2万個にも及ぶといわれるほどに壮大で、多くのツーリストもその湖を見にやって来ます。
しかし、もし丸3日間かけて砂漠を歩いたなら、湖以外のレンソイスの魅力に気づくでしょう。
砂が作り出す、砂丘という極大の現象と、風紋という極小の現象です。
レンソイス砂漠のもう一つの主役は、“風”なんだと気付くのです。
砂丘も風紋も、そしてレンソイス砂漠さえも、大西洋から吹き付ける風が作りだしたことを、眼と耳で体験して納得することができます。
そうして、白砂の砂漠が作り出す、一見すると無秩序な模様が、じつは風による大きな一定の力に支配されていることにも気づかされます。
足元の風紋の模様と巨大な砂丘の連なりが相似していることをガイドに教えてもらったときは、ちょっと感動したものです。
何も無い茫漠とした世界に存在する大きな何かを感じてしまうとき、それはその場所が持つ魔力のようなもので、どうしようもなく惹きつけられてしまいます。