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深紅の花・ノトロ(ヤマガモシ科)
氷河が後退して最初に生えてくる植物の一つが、ノトロです。
南極ブナさえも生育できない荒れた土地で育つ強い植物で、パタゴニアの暴風が吹き荒れる裸地に見つけることができるでしょう。
裸地から始まり森林へと形成していく過程で、植生が変化していくことを「植生の遷移」といいます。
ノトロは、その植物の遷移の中で、一番最初に現れる植物なのです。
荒れ地に強いノトロは、南アフリカのプロテアと同じ種
氷河が後退したばかりの岩盤が剥き出しの土地や山火事で燃え尽きた土地に、最初に現れる植物の一つとして、その土地の状況を知るうえで、ノトロは非常に分かりやすい印となります。
ノトロは、春から夏にかけて真紅の花を咲かせます。
ヤマガモシ科のノトロは南アフリカのプロテアと種を同じくし、その起源は古代のゴンドワナ超大陸の時代に遡ります。
パタゴニアの春を象徴する花として、ノトロは欠かすことのできない花なのだ。
*Notro (Ciruelillo): Embothrium coccineum